#2 中学留学生の自己認識について2018-02-21

<昨日のブログに続きます>
中学留学生にとって、どのようにして日本についての学習を維持するかということは、アイデンティティを確立するうえで大切なことのように思います。多忙な留学生活のなかで、週末を補習校に通うということはボーディングスクール留学生にとって現実的なことではありません。
漢字ドリルや日本の歴史などの教材を持参しても、結局やる時間がとれないという結果を多くの留学生のお母さんが経験しています。留学している本人が主体的に考えられないことを遠隔操作することは困難を極めることになると思います。

アイデンティティを学習によって得るという既成概念から少し外れて、中学留学中の日本に対する学習は、留学している本人が興味を持てるもの、率先して行えることを中心に考えることが重要に思います。

昨日も述べましたが、日本を知るうえで、読書はとても便利でまとまった学習ツールです。但し、読書を好まない生徒もいます。好きでないものは続きません。かれらにいきなり夏目漱石や森鴎外を読めと強いてもうまくはいきません。読書が好きでなくても漫画や若者向けの小説、あるいは邦画など日本の文化を伝える手段は必ずあります。
留学している本人が興味を持てることを探して与えるのは、中学留学においてはとても重要に思います。

ボーディングスクールの特徴として、休みが多いことも挙げられます。その中でも学年が変わる夏休みは6月上旬から9月上旬まで3か月ほどあります。1年のうちの1/4に相当するこの期間を有効に活用することで、本人のアイデンティティの確立を積極的に進めることができます。

この期間に留学生を対象とした予備校、塾に通う、出来ればアルバイトやボランティアを経験するなど、3か月間の間に複数の体験をすることをお勧めします。

留学生を対象とした日本の学習機関での勉強は、TOEFL、SAT、SSATが中心となります。これらのテストに対する対応は、留学中はなかなか手が回らないのが現実です。それ故に、休みの時に集中的に勉強しておかないと点数アップが望めません。英語が話せて、ボーディングスクールでの成績もAが多く取れるようになったとしても、TOEFL、SSATの点数が低くてはランク4以上の高校ボーディングスクールへの進学はできません。
つづく

#1 中学留学生の自己認識について2018-02-20

自己認識、英語でいうとアイデンティティ(identity)は、中等脅威機関に留学する生徒たちの将来に大きくかかわる重要な問題であると思います。日本で生まれ、育ち、高校まで教育を受けた人なら、自然に日本人としてのアイデンティティに考えを巡らすまでもなくむしろ、異文化についてどのように学ぶかが問題になります。ところが、小学校の高学年から中学校にかけて留学した人は、異文化への適応が成人に比べて格段に早いぶん、自分が何人で、どのような文化的特徴や価値観を持っているかを考える必要があるようです。

自分とは何かという哲学的思考に至らなくても、学生から社会に出た時に、どのような仕事に就くのか、そこで何を達成したいのか、そのためにはどのような準備をしたらいいのかを意識する必要があると思います。

留学すれば、日本の社会から一旦離れます。日常で日本語、日本人とは接しなくなります。日本の歴史についての勉強もしなくなります。中学、高校は第二成長期です。こころも体もどんどん成長する時期です。その時期に日本語、日本文化を維持するためには、具体的には何が必要なのでしょうか。

読書が一番のお勧めです。

漢字練習や日本語文法、古典、日本の歴史などを異文化のなかにあっても学ぶことが理想なのかも知れませんが、ただでさえ多忙なボーディングスクール生活のなかで、それらの学習を取り入れることは、相当な時間管理と克己心が必要です。それを10代半ば前の子どもたちに強いるのは非現実的です。

ボーディングスクールの良いところは、生徒の長所を伸ばしたり、可能性を追求したりすることをとても大切にしてくれることです。従って、自らの文化との関わりを無理なく持つためには、単調な学習よりも自分の好きな分野の読書が一番現実的です。

留学生の読書をサポートすることに最適なのは、彼らのお父さん、お母さんです。我が子の読書の傾向と対策を考えることは楽しくできると思います。また、自らの読書体験から勧められる本を海外に送ることも、簡単にできるようになりました。
つづく

#5 ジュニアボーディングスクールから高校へ2018-02-19

授業そのものが受験に大いに関係するボーディングスクールですが、ジュニアボーディングスクールにおいては、授業以外の学校生活も受験に関係します。生徒が何に興味を持ち、どのようなことを学校生活でしたいのか、また伸ばしたいのか、その表現と実績をとても重視するのがアメリカの高校入試、すなわちボーディングスクールへの入試です。

スポーツ活動、音楽、芸術活動、社会的な活動など、生徒が自発的に追求してみたいことを積極的にサポートするのがボーディングスクール教育の大きな特徴です。
しかし、サポートの仕方は日本とはかなり違います。生徒、自らの意思や意見が尊重されるということは、生徒が意見を持つことが大前提のとなります。
インタビューの時に、アドミッションスタッフが必ず質問するスポーツ、音楽、芸術、社会への実績と興味の度合いが単なる答えとしての要素でなく、ボーディングスクールに入学したらという自らの問に対して、明確で具体的な準備が必要です。

勉強以外のことに力を入れていたら、入試に間に合わないという発想はボーディングスクールにはありません。好きなことを追求することと、学校生活は両立できるものと彼らは信じています。むしろ、そうでないと、勉強そのものが成り立たないというように考えています。

余談ですが、冬季オリンピック2連覇を達成した、羽生結弦選手をはじめ、世界の舞台のここ一番というところで実力を発揮できる選手は、結局自分のなかにある「好き」という意識を究極まで楽しめる人ではないかと思います。義務や強制ではなくて、ジュニア時代から成長していく過程のなかで、自分がやっていることを妥協なしに楽しむことができるので、更なる頂点を目指すための哲学を自分で作ることができるのではないでしょうか。本題に戻ります。

勉強においても、学校生活においても、生徒に常に「なぜ」という投げかけをしてその答えを求め続けるための努力するこころを教えるところにジュニア、そして高校としてのボーディングスクールの人づくりの原点があるように思います。

日曜コラム 趣味と生活2018-02-18

趣味のありがたさを実感しています。
結婚以来封印されていたバイクを30数年ぶりに復活させてみると、
学生時代、1000キロを超えるツーリングを何度も経験した
「あの時」がすぐに戻ってきました。
厳寒の今年ですが、意識の熱さがあれば、寒さは防げます。

バイクに乗って剣道の稽古に行きます。
多少の荷物をバイクに括り付けて片道10キロの道を行きます。
その後、15キロほど離れたところにある母の病院に行き、
顔と体を拭いて、クリームを塗布するというルーティーンを行い、
自宅に帰ります。
終末の日常なのですが、移動手段を変えたことで、
物理的、精神的な風景がドラスティックに変化しました。
楽しくなったといえます。

剣道も23年間、趣味としてやっていますが、
体調を維持と管理にとても役立っています。
稽古仲間に20代後半のフィリピン人がいます。
日本で英語教師をしている人ですが、日本の文化にも興味があり、
3年前から剣道を始めて今、二段です。
若いだけあって、どんどん上達しています。
技の習得には、時間を要しますが、学びの意欲が立派なので、
これからも伸びていくでしょう。
若い人たちと稽古ができてとても刺激になります。
稽古が終わった時の爽快感が実に新鮮です。

テニスも途切れることなく40年以上に渡り継続しています。
セットを取るか、取られるかと競っている時はとても熱くなります。
そんな時は、おおよそ冷静さが勝負を決めるといっていいと思います。
精神的に過熱して、ミスをすると、体のバランスが
崩れ、それに気づくことができずに自滅してしまうのです。

趣味のテニスですが、技術的、体力的には過去の自分には
勝てると確信して続けています。
「昔はこんなではなかったのに」と一度も思ったことはありません。
ゲームが始まれば、意識の熱さのコントロールで精一杯、
過去のことをあれこれと回顧する余裕などなく、
ボールに集中することのみに徹します。

「趣味はいいなあ」と思います。

次男は趣味の生き物好きが高じて養蜂をなりわいとしています。
家内は、かつては「ニット教室」を開いていたのですが、
20年ほどのブランクを経て、それを復活しました。
テレビを見る時でも、手が動いています。

趣味という生活のフレイバーに感謝し、
これからも継続していきたいと思っています。

#4 ジュニアボーディングスクールから高校へ2018-02-17

<昨日のブログに続きます>
ジュニアボーディングスクール(中学)からボーディングスクール(高校)へ、そしてボーディングスクールから大学へというそれぞれの段階での入試方法は相似形と言えます。

先日のブログで述べましたが、アメリカの大学は独自の入学試験を実施しませんが、それは高校でも同じです。

本題からそれますが、アメリカの場合、公立のハイスクール(高校)は、日本の公立中学校と同じように、その学区に住んでいる生徒たちは全入であり、入試そのものがありません。日本の場合、義務教育は15歳で終わりますから、高校への進学は任意であり、入学のためには各校が実施する試験を受けますが、アメリカの義務教育年限は16歳で高校の学年では10年生ということになります。本題に戻ります。

アメリカのボーディングスクールが求めている共通試験はSSATと呼ばれる英語と数学の試験です。留学生の場合は、この試験にプラスしてTOEFLがランク4以上の学校への出願では必須となります。
この試験の結果でボーディングスクールは志願者の基礎学力を確認します。テンスクールズの出願であれば、TOEFLは満点の120点を取る必要はないものの少なくとも100点はないと英語に関する基礎学力不足とみなされるでしょう。ランク4のESLのないボーディングスクールであれば、学校によっては80点くらいの英語力でも良い学校もあります。

SSATやTOEFLが、基礎学力の確認とされるなかで、学力の要素として重要になるのが学校での成績です。アメリカの場合であれば、ランク4以上の学校に出願する生徒は0から4段階の成績評価で最低でも3.5は必要となります。アメリカは絶対評価ですから、日本のように1から5段階の評価がバランスよくクラスで配置することを先生は意識しません。ボーディングスクールでの学業評価においては、Aが当たり前で最低でもB、C以下の評価がついた場合は、大至急に対処が必要となるのが成績評価の現実です。

ボーディングスクールに留学して一年以内の生徒に日米の授業の違いを聞いてみると、日本は先生の講義によって授業が成り立っているのに対して、ボーディングスクールは、ディスカッション形式の授業が主流です。生徒の授業への参加度、発言の内容、宿題の出来、小テストの結果が定期試験とともに成績に反映されますから、成績の良しあしはアメリカのボーディングスクール入試においては、とても重要な要素となります。