授業料の支払い―ボーディングスクール2017-06-20

アメリカボーディングスクールの合格発表は3月上旬です。合格通知後に入学を決定したら、契約書にサインをして返信し、授業の10%程度の金額を学校に支払うことで、受け入れが確定します。
授業料および学校経費の支払いは、第三者機関に対して行うようになりまた。Smart Tuition Payment、Flywireなどと呼ばれている第三者機関はここ五年間にTABS加盟の200校あまりのボーディングスクールのうち、半数以上の学校に普及しました。

普及当初は、良くあることですが、外国からのドル送金に対応していないケースもありましたが、今は外国からの現地通貨をドルに換えて送金することができるようになりました。

アメリカ社会の支払い習慣は、小切手であり電信送金ではありません。したがって、電信送金のための合理的なシステム、たとえば支店名などが整理されていないので、受ける側の銀行、および学校経理部門でトラブルが絶えなかったのではないかと思います。
それを解消するために、第三者機関に授業料の受け入れをすべて任せるという結果になったと思われます。

この受け入れ期間は学校の経理部門と連携することで、入金先を明確に把握することができ、学校への直接送金に時に見られた「送金元不明」という悩みから解放されることになったと思います。

送る側からすると、今までにはないアカウントの作成、IDやパスワードの管理、そして送金するまでの手続きの複雑化など、電信送金に慣れている国としては、このシステムを使うメリットはありません。
しかしながら、このシステムが廃止され、以前のような直接電信送金に戻ることはおそらくないと思います。

このシステムは現在のところ、アメリカボーディングスクールに限られています。お隣のカナダにおいては、電信送金もさらには、健康管理(マグナスヘルス)も以前と変わりありません。カナダのボーディングスクール関係者は、Smart Tuition、Flywire、Magnus Healthといった名称すら知らないと思います。もちろん、イギリス、スイス、ニュージーランド、オーストラリアなどの英語圏の国も同様です。

授業料管理に間違いがあってはなりません。その管理がずさんであれば、学校の品位が問われます。それ故に、あえて第三者機関による管理を採用したのですが、サービスという面においては、向上しました。
驚くことに、Flywireは24/7(トゥウェンティーフォーセブン:週7日間、24時間対応)なのです。日本からいつ電話をしても、機械でなくオペレータが応えてくれます。

一般にアメリカボーディングスクールの授業料の支払い期限は、一括の場合7月1日ですが、これから送金トラブルは格段に減っていくことでしょう。

ボーディングスクールの全人格教育2017-06-19

全人格教育を理想として、学校運営を行っているのがボーディングスクールです。小学校5-6年生でボーディングスクールを見学に行き、中学校1年生で留学する生徒たちが、その後の中等教育時代を日本外で過ごすことができるのは、彼らにとって、ボーディングスクールの教育が魅力的だからと確信します。
さもなければ、居心地が極めて良く、日常に何の不自由もない我が家に戻ってくるはずです。

留学生たちを引き付けるボーディングスクールの教育、その根本が全人格教育ですが、この教育をひとことで言えば、教える側、学ぶ側相互の人格の尊重にあると思います。人が人を大切にするという当たり前なことが実はとても難しい命題のように思われる時もたくさんあります。
この根本を飛ばして、対策に終始した方が、結果を出すのに手っ取り早く、時間も手間も短縮できます。そして何より教えることのマニュアル化により大量の人をさばくことも可能になるでしょう。
その代わりに、教える側と学ぶ側のコミュニケーションが薄れて、お互いの関係性も希薄になりがちです。それでも結果がすべてなどと考えるのであれば、それは教育という範疇で考えられなくてもいいのではないでしょうか。

ボーディングスクールを支えているのは、生徒と先生の関係性における愛の精神ではないかと思います。それ故に、学ぶことに興味も持てるし、意欲も湧いてくるのではないでしょうか。一方通行に教えるだけであるならば、クラスである必要は究極的にあるでしょうか。試験にでるための対策であるだけであれば、学校というところに日々通わなくてもテレビ画面で最も優れた人の授業を見ながら学ぶことが十分に可能ではないでしょうか。

アメリカボーディングスクールの創立年の平均は100年を超えます。TABS加盟の学校が200校ほど、Boarding School Reviewの学校リストが300校あまりですが、それらの学校はその多くが生き残りをかけて生徒募集活動を一所懸命に行っています。
自国の経済の低迷、世界の中でのアメリカの影響力の翳りなどから、国内だけではこれからの学校運営は危機に晒されると考え、世界の英語圏の中等教育機関のなかでも先駆けて留学生のためのインフラを整備したのもアメリカのボーディングスクールです。

少人数制、体育、芸術、音楽科目の充実、寮施設の改善など、ボーディングスクールは独自の進化を続けていますが、その根本にある全人格教育はいささかもぶれてはいないと思います。

日曜コラム スポーツから学ぶ2017-06-18

月に2回ほどテニスをすることにしています。
3-4時間のプレー時間でシングルス、3セットで終わることにしています。
このところ負けが続いていました。
最初の3ゲームくらいまでは優勢に進められるのですが、
その後がいけません。
勝ちたい気持ちばかりが先行してしまい、結局、フォアもバックも
ミスが多くなります。
それを更に挽回しようと焦り、ファーストサーブを「フラットでエース」
という幻想に惑わされて、結局はダブルフォルトが出てしまう。
意識がガチガチになると、スマッシュやボレーなども「簡単に」
ミスをしてしまいます。
英語でいうところのUnforced errorの連発で、自滅するパターンをたどります。

焦り、焦燥、不安などで自分を見失うと、テニスの場合、
相手を乗らせる結果を生み出すように思います。
こちらのミスが多くなると、不思議と相手のミスが少なくなります。
苦しい時に我慢ができないと、試合の流れが劇的に変化するのが、
テニスというゲームの面白さと深さではないかと思います。

何が功を奏するかわからないのもテニスの面白さです。
負けが込んできたので奇数ゲーム時の休みにサーブの練習をしました。
(正式な試合では、休憩時間にこのようなことはできません)
デュースコート(右サイド)、アドコート(左サイド)、各4本ずつ
打ったのですが、ネットに一つもかからず、
フラット系でセンターよりのいいコースにバシバシ決まったのです。
力を抜くこと、球の上げ方、インパクトのタイミングまでの
流れがこの8球で飲み込めた気がしました。

次のゲーム、練習の成果か2本のサービスエースが決まりました。
いつものオムニコート(人工芝)ではなく、今日はハードコート、
球足が早く、フラット系のサーブが入れば、優位に立てます。

サービスが決まり出すと、受け手が焦り始めます。

安定していたフォアのストロークがぶれて、ネットにかけたり、50センチ以上も
エンドラインを割るような球を打ったりというミスが目立つようになります。
それに反比例して、こちらのストロークの精度が上がるようになります。
心理的に、サービスでゲームが取れるという安心感から
体に無駄な力が入らずに、素直に球に集中できるからでしょう。

結果、3-6、6-4、6-2で久々の勝利となりました。

焦らない、恒に冷静であること、ミスを引きずらない、無理をしない、
悪いことに囚われない、平常心など、テニスのゲームというのは、
相手という鏡に映した自分を見ることではないかと思います。

スポーツは、自分を知るそして考えるとても素晴らしい手段と思います。

留学初年度の印象-帰国した生徒に聞きました2017-06-17

「あっという間の一年でした。初めのうちは、英語がわからず戸惑うことも多かったですが、そのうちに英語には慣れてきました。」アメリカの東海岸、ボストン近郊のジュニアボーディングスクールで一年を過ごした生徒の感想です。

日本の学校(中学校)とジュニアボーディングスクールの違いを尋ねると、その生徒はIT系の私設の充実を挙げました。3Dプリンター、バーチャルカメラ、ドローン、各種ロボット、レーザーカッターなど10代の生徒が興味を持ちそうな「ITおもちゃ」が200平米ほどもある空間に展開されています。
IT系の学習機材は、どのボーディングスクールに見られますが、入学難易度の高い学校ほど、その空間と内容が充実していると言えます。生徒たちが興味を持つことに学校が投資をすることで、結果として彼らの好奇心が刺激され、満たされる-このプラス思考によって、学習効率も上がるという確信をボーディングスクールは持っているように思います。

今回の生徒は、絵を描くことが大好きでした。自分の作品を展覧会に出すことを先生から勧められて実行したところ、入賞しました。このような学習外の実績も進学にはとても大きな要素となります。
アメリカボーディングスクールの慣習として、美術系の秀逸した作品は売れるということがあります。エキシビションなどに出展された作品を、それを見た先生や保護者の人たちが気に入ると、「How much」となるのだそうです。

「絵画のための筆もとてもいいものが整っています。」とその生徒は言いました。生徒たちが学校の日常で使うものも気を配る。そこまでできるのは、その科目を受け持っている先生の情熱と思い入れ、そして生徒に対する愛情ではないでしょうか。
教える側と学ぶ側が区別されるのではなく、お互いに学び、高めていくと学校は考えているのではないでしょうか。特に、アート系、音楽系、そして技術系の教科は、テストによる評価が重視されません。創造への情熱を分かち合えるところが、ボーディングスクール教育の魅力とも言えます。

体育施設の充実にもその生徒は言及していました。アメリカンフットボール、サッカー、ラクロス、野球のフィールドが独立していて、スポーツの時間には、それぞれのチームが練習や試合に専念できる。日本では、場所が狭いため、フィールドの使用は制限せざるを得ないそうです。

今回話を聞いた生徒、7年生を終えて来年度が8年生です。その生徒、留学前のSLEPは41点、1年留学帰国後のスコアは56点でした。15ポイントの伸びは、とても大きな学習的成長を意味します。本人は、主要科目以外のことを熱心に語ってくれましたが、結果的にこれだけ英語力を伸ばすことができたことが、ボーディングスクールで学ぶ価値ともいえると思います。

英語力補強プランニング-ボーディングスクール留学2017-06-15

<前日のブログに続きます>
中学、高校留学を最も効果的に終えるために、留学初年度から独自の読み書きに特化した英語力補強プランを立てることが大切です。ボーディングスクールが標榜する全人格教育(whole person education)を達成するためには、留学生にとって英語によるコミュニケーション力はもちろんのこと、問題解決力、プレゼンテーション力などを向上させるとともに、いろいろな分野の英語文章を読解でき、さらにはそれを文章で表現できるまでにならないといけません。
世界のトップと言われる大学が求めているのは、オールラウンドの人間であり、決して入学試験のためのプロフェッショナルではありません。

オールラウンドの能力を留学で得るためには、留学先校が留学生に要求する授業だけでは、不十分なのです。中学・高校ボーディングスクールでの進学対策はおおよそ2年前から始まりますが、留学生が一様に陥るのは、英語総合力の不足です。アメリカ、ボーディングスクールの難関校群、テンスクールズに入学するためのTOEFLの点数と、アイビーリーグ大学群が求めるそれとは10点も差がありません。
すなわち、高校進学の時点でTOEFLは100点を超えていなければ、そもそもランク4のボーディングスクールへの入学も困難なことであり、テンスクールズに至っては、TOEFL点数不足で選考から外れてしまう可能性が高いのです。

中学、高校留学生の親からもたらされる夏休みの不安は、3か月間にもおよぶ期間をどのように過ごさせるかということです。すでに述べましたが、ボーディングスクールのサマースクールはTOEFL対策、SAT対策のための集中学習ではありません。たとえテンスクールズのサマースクールであっても、テスト対策という概念はありません。書き方や小説鑑賞というクラスはあっても、テスト対策はありません。

ボーディングスクールが求めている全人格教育というのは、「対策」を中心とした勉強ではおそらく達成できないのでしょう。従って、留学初年度から日本からの留学生に欠けているTOEFL力、SAT力などをどのようにして補うかも含めた留学期間中の時間の使い方を考えておくことが重要になります。