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ボーディングスクール―9月以外の入学2019-02-05

北半球、英語圏のボーディングスクール、その新学期は9月上旬に始まります。日本では夏休みが8月末で終わりますが、その時期がアメリカ、カナダ、イギリス、スイス、そしておおよそのインターナショナルスクールの新学期がスタートします。
アメリカのボーディングスクールに限って言えば、ランク5と4のボーディングスクールは3月10日の合格発表から一ヵ月後の登録締め切りまでに寮の空きが埋まるために2次募集は期待できませんが、ランク3のボーディングスクールについては、寮の定員が3月10日の合格発表以降でも継続して生徒募集が行われているのが現実です。

ランク5のテンスクールズに関しては、9月から12月の前期(1st semester)終了後、追加募集は期待できませんが、ランク4以下の学校では、若干の退学者もあるので、後期(1月から5月)を目指して追加募集が行われることが多々あります。もちろん、ウェブで追加募集が公表されることは稀で、その情報はコンサルタントなどに限定してもたらされます。

そのニーズに答えるだけのネットワークと適切な生徒を推薦できるかどうかがコンサルタントの技量ですが、現実的には個別のボーディングスクールの中途入学のニーズに即答えられるコンサルタントは世界のなかでもそれほど多くはないと思います。

自身の経験からしても、年末年始に親しいアドミッションスタッフから、生徒の追加募集の案内を受けることはありますが、すべてに的確に答えられ、応じられるわけではありません。むしろ、こちらからあたりをつけて、そのニーズが出た場合、発信するほうが効率的と言えます。

日本の場合、3月の半ばで学年が終了するわけですが、4月から5月末までの時期、ジュニアボーディングスクールやランク3のボーディングスクールであれば、寮の空きがあれば、2か月あまりの期間でも受け入れられる場合があります。もちろん、この時期、単位を取得する目的ではなく、あくまでも9月からの新学期の生活に慣れるためのトレーニングセッションです。
英語に慣れるために、午後3時ころまでの学習だけでなく、放課後のスポーツ活動への参加や週末の寮生のための活動など、本人のやる気があれば、この2か月余りのチャレンジはとても有意義な機関となるでしょう。

日曜コラム 教室2019-02-03

勉強というと日本人なら誰しも本とノート
そして勉強机を思い浮かべると思います

留学するとその概念が見事に取り払われます

第一に勉強の大前提となる覚えることから留学生たちは解放されます
ボーディングスクールでは教室の構造が日本とは違っています

日本では四角い教室に黒板か白板、先生用の机に対峙している生徒の机
日本全国、津々浦々、日本の学校の教室は共通しています
教えるために最も合理的に考えられた教室なのでしょう
30人から40人というクラスの生徒数も私立
公立に関わらず決まっています

ボーディングスクールでは半分以上のクラスが車座に組まれます
先生と生徒同士がお互いの顔が見えるように配置されています
その人数は多くても15名くらいです
そこで授業が始まると、先生の講義は
日本に比べると驚くほどに短くなります
その代わり、生徒たちの発言と先生のコメントそして
それに反応する生徒の発言と授業は進みます
試験にでるから覚えるということを先生は言いませんし
生徒も試験を前提に授業を受けているわけではありません

覚えることも、暗記することも学習の基本ではないので
アメリカには塾や予備校家庭教師という学習補助機関産業は
日本のようには発展していません

ボーディングスクールの教育の根本は「自分を知る」ことにあります
したがって、日本の受験システムとは相いれず
留学生たちは留学当初、学校生活の違いに大いに戸惑います
授業も教室も考えることを前提として、意見の交換は
人の考えを受け入れたり、反論したりしてより良い結果を
生み出すことのために行われます

日本からの留学生たちは、ボーディングスクールの教育を
短期間に受け入れそれに慣れていきます
そして、彼らは中等教育時代を異文化の中で過ごすことになります
彼らにとって、ボーディングスクールの教室は自分が変わる
新たな教育に目覚める心のふるさとになるに違いありません

ボーディングスクール教育の価値は、そこで学ぶ生徒たちに
新たな自分に気付き、やる気にさせることにあると言えます
そうすれば、最終的には教育で失敗することはありません

ボーディングスクール―寄付について2019-01-31

寄付について良く質問を受けます。日本の学寄付は頻繁に行われるということはありませんが、ボーディングスクールの運営において寄付は不可欠ともいえ、寄付に特化した部署(Development Office)をおおよそのボーディングスクールは持っています。

寄付の実際について、コネチカット州にあるランク4のボーディングスクール、Suffield Academyの2018年度の広報誌からの情報を例にとって解説します。

寄付金貯蓄額:5000万ドル(Boarding School Review情報による)
今年度寄付金総額:690万ドル
年次基金額:270万ドル
寄付をした親のパーセント:88%

1ドルを100円として換算すると100万ドルが1億円です。従って、Suffield Academyの2018年度の寄付金総額は6億9千万円ということになります。そのうち、年次基金(Annual Fund)という毎学年ごとに設定されている寄寄付金の総額は2億7千万円です。

この寄付金の学校運営費用に占める割合は、12%となっています。現役生徒の授業料は76%、寄付金蓄積からの引き出しは9%、その他が3%となっています。この情報からすれば、授業料収入だけでは学校運営は赤字になってしまいます。

支出については、職員の給与と生徒への奨学金が52%、学校施設の維持が10%、学習活動、スポーツ活動、音楽芸術活動への支出が38%となっています。もし、寄付金がゼロであるすると、学校施設の新設や生徒の文化的活動が出来なくなってしまいます。

Suffield Academyの広報誌の寄付に関する情報は、ボーディングスクールの学校文化のうち、寄付の重要性を示唆しているといえると思います。

寄付は、現役生の親、卒業生、そしてボーディングスクール教育に賛同する企業や団体からの善意の贈り物です。アメリカ、ボーディングスクールにおいては、寄付はあくまでもオプションであり、学校からの強制は一切ありません。また、寄付をしたがゆえに、その特定の生徒が優遇され、寄付をしないからといって冷遇されるということはありません。

Suffield Academyの寄付、年次基金をはるかに上回る金額が寄せられるのは、この学校を卒業した生徒たちからのものがとても多いことを示していると思います。卒業生に愛されるからその教育が長く続けられるというのがボーディングスクール教育の伝統の一つではないかと思います。

大坂なおみ選手にみるこれからの教育2019-01-29

日曜日以来、大坂なおみ選手の話題がマスコミを賑わしています。
アジア人初、世界ランキング第一位という快挙は、日本人のみならず
アジアの人々にとってもプロテニス界において
新たな希望をもたらしたに違いありません。

大坂選手は、現在フロリダ在住です。

Wikipediaによれば、彼女は日本とアメリカの二重国籍、
所属は日清ホールディングス、そしてマネジメントはIMGとなっています。
IMGと言えば、錦織圭選手がテニス留学をしたところで、
彼は今でもアメリカ、フロリダ州、ブラデントンにあるIMGを
テニス活動の拠点としているそうです。

世界ランク5位以内に入り、10位以内を複数年維持しているのは
男子では錦織選手のみ、女子では過去2年間に飛躍的な躍進を遂げ
世界ランク1位になった大坂なおみ選手だけです。

大坂選手、錦織選手に共通しているのは、その躍進はアメリカで成されていて
両名とも欧米のテニストーナメントの文化に精通しているところです。
彼らの躍進にIMGいうテニスマネジメント組織の存在は欠かせませんが、
大坂選手については、日本とアメリカという2つの国籍を持っているがゆえに、
日本を選択した理由が気になります。

Wikipediaよると、2011年に全米テニス教会が彼女にそれほど関心を
持たなかったために、彼女の父親がテニスの国籍は日本を選択したとあります。
彼女は当時11歳でしたから、本人にはテニスを日米どちらの国籍で行うか
その判断はできなかったと思います。しかし、この2年間の急成長で
全米テニス協会は、おそらく彼女にアメリカ在住のみならず、
テニス教育もほとんどすべてアメリカで行われことを理由に
彼女にテニス国籍をアメリカにするように依頼があったと思います。

国籍の選択という大きな決断を「日本」で維持している大坂なおみ選手、
そこには彼女がお母さんから受けた日本への思慕、少なからぬ母国への思い出、
そして早期から彼女のテニスへの資質を認めた日本への感謝など、
日本への愛情が欠かせないように思います。

それを成した根底に「教育」の根本があるとするのは、
私の思い過ごしでしょうか。

大坂選手は成人となり、テニスという世界で頂点に立ちました。
これからの彼女を支えるのが、彼女が今まで受けた広義な意味での教育で
あってほしいと私は思っています。

日曜コラム 祝大坂なおみ選手 全豪オープンテニス優勝2019-01-27

テニスの大坂なおみ選手(21歳)が全豪オープンで
チェコのクビトバ選手(28歳)をセットカウント2-1で降して優勝しました
日本のみならずアジアのプロテニス選手として初のグランドスラム2勝目であり
さらには全米、全豪の2冠達成です

この試合、ご覧になられた人を多いと思います
伊達公子さんのコメントがとても印象に残っています
第1セットを大坂選手がタイブレークの末、7-6で制し
続く第2セット5-3からクビトバ選手のサービスゲームを0-40として
3回のマッチポイントを握りながら結局
クビトバ選手に5-7とこのセットを取られてしまいます
そこで伊達さんは、「21歳と28歳のゲーム」とこの試合を評します

伊達さんの言う通り、3回のマッチポイントを逃した大坂選手は
平常心を失い、ミスを連発、それを冷静に見逃さなかったクビトバ選手に
4ゲームを連取されてしまうのです

試合の流れから言えば、圧勝モードを逃した大坂選手に対して、
流れに乗ったクビトバ選手が自己の経験と実績にものを言わせて、
第3セットは大坂選手不利と思われました
大坂選手は第2セットを落として、半泣き状態であり、ミスの連発に
自分を見失いつつあったのですから無理もありません

しかしながら、第3セットの結果は6-4で大坂選手が勝利をおさめます

大坂選手は21歳ながら28歳のクビトバ選手を降しました
第2セットの波乱から第3セットの立ち直りという大坂選手の心境
そして第2セットの終盤から自らのペースを取り戻したクビトバ選手の心理
テニスを愛する人たちにとっては、
将にテニス史に残る一戦ではないかと思います

大坂選手の勝因はどこにあったのかと思います

おそらく、第2セットを落としたことの客観的分析が即座にできたことに
あるのではないかと思います

1年前の大坂選手であれば、第2セットを落とした時点で
自己コントロールが効かず、自暴自棄に陥りこの試合を
ものにすることが出来なかったでしょう

大坂選手のみならず、プロのスポーツプレーヤーであれば誰しも
自分をあくまでも客観的にみる、すなわち相手に対して客観的になれることが
どれだけ大切なことか理解できるでしょう

大坂選手、技術、体力面での充実に加え、自己制御における成長が
これから続けば、世界4大大会制覇、グランドスラマーも夢では
ないと思います