ミリタリースクール-ボーディングスクールアメリカ編2011-02-17

ミリタリースクールは日本の生徒やその家族にとってイメージしにくいボーディングスクールであると思います。第2次大戦の敗戦国として私たちはミリタリー(軍隊)という言葉に対して拒否反応する習性を身につけたかもしれませんが、ボーディングスクールとしてのミリタリースクールはすべて普通の高校と同様のカリキュラムをもつ私立高校です。殆どのミリタリースクールが退役軍人によって創立されています。アメリカの一部の大学にはROTC(Reserve Officers' Training Corps)という予備役将校を養成するための教育課程がありますが、高校レベルではそのジュニア版JROTCプログラムがあります。通常の高校としてミリタリースクールが機能するなかで、JROTCというプログラムを取り入れているわけです。JROTCはミリタリースクールでなくても条件さえ満たせば公立、私立、もちろんボーディングスクールを問わず導入が出来ます。


アメリカは陸、海、空、海兵の軍隊を持っていますから、多くの軍人がいます。ですから、教養があり大変教育熱心な退役軍人さんもたくさんいるわけです。彼らが自分の教育への情熱と、人材ネットワークを生かして、将来国を守り、担う人を教育しようという気持ちで、初等、中等教育レベルの若い人たちのために作ったのがミリタリースクールです。
その学習カリキュラムはあくまでも初等、中等教育課程に則っていますから、通常の学校の授業とそれほど変わりません。管理部門には軍隊出身の人たちが多くいますが、通常クラスの先生は民間人もたくさんいます。学校の理念も秩序(structure)、自己鍛錬 (self-discipline), 相互敬意(respect), 名誉を重んじる(honor)などで、最も大切にされるのはリーダーシップすなわち組織を円滑に運営する力です。


学校生活は制服着用で規則正しく、自分の部屋の整理整頓、集合時間厳守は通常のボーディングスクールよりも厳格といってよいでしょう。学内ではすべての生徒に模擬階級が与えられ、学業、スポーツ、社会活動、勤勉さなどで優れた点がみとめられれば通常の学校では表彰されますが、ミリタリースクールでは表彰され階級が上がります。そして年を経るごとに上級生として下級生への指導的役割が増加とされます。生徒たちが訪問者や先生に敬意を表して敬礼をしたり、朝や夕のマーチングや、先生や上級生に対する言葉遣いなど、私はミリタリースクールを訪れる度に、彼らの生活態度に関心します。


ミリタリースクールの卒業生はその多くが通常の大学に進学します。もちろん、卒業生に兵役の義務や進路の指定は一切ありません。

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