面接要領3-ボーディングスクール留学(アメリカ編)2011-01-29

ボーディングスクールの面接について補足します。前述の面接要領は試験を受ける立場が中心となっています。ここでは、学校を選ぶという視点で学校訪問について考えてみたいと思います。


学校を訪問する最大の利点は現場の人々から直接情報を得るということにあります。
日本の学校での面接とは全くその主旨を異にする点に注目してください。アドミッションオフィスで面接を担当するスタッフ、施設見学の際、案内してくれる生徒、またそこで学ぶ生徒や教える先生たち、いずれの人々も明確な理由があって、それぞれのボーディングスクールにいるわけですから、彼らに率直にこちらから、質問してみることは、彼らにとって「嬉しい」ことであり、決して「失礼」あるいは「無礼」なことではありません。


今まで、面接に際してどのような質問にどう対応するかを中心に述べました。いわば日本的に受身の立場で「傾向と対策」に対応しました。しかし、アメリカのボーディングスクール受験でより大切なのは、それぞれの学校に志願者家族が何を思い、求め、願うかを彼らに伝えるこということです。それが彼らの文化では当たり前なことなのです。そして、彼らの反応に対する印象こそが学校を選ぶ大切な情報となります。


英語圏には日本の文化では当たり前な合議決定、地位や権威にたいする過度な尊重はかなりそのかたちを変えて存在します。たとえば、生徒との面接は1対1で行なわれ、
その担当者が面接における志願者の評価を単独で行ないます。何人もの面接官がそれぞれに志願者の「考え方」、「態度」、などを観察し合議して評価するということは、ボーディングスクールではあり得ないことです。日本に比べて、アメリカは人を「精密」に評価するとは言えません。


面接で大切なのは、親子ともども面接官の質問に準備された受身的な回答をすることではなく、自らの教育に対する希望とわが子と共有する人生で大切な価値観を「担当者」に伝え、それに対する彼らのリアクションをこちらも「選択する」ということです。


施設訪問の際、ガイドの生徒にいろいろと質問してください。かれらがどんなボーディングスクールに願書を出し、そのなかでなぜこの学校を選んだのか。学校生活に満足しているか。不満はないか。アジアからの生徒、とりわけ日本の生徒につての印象はどうか。進路についてどう考えているか。あなたの夢はなにか。など、いつも学校訪問で私はツアーガイドに質問します。


先生と親との面接というと、いずれの保護者の皆さんも緊張されます。しかし、実際は子どもの面接が終えてから、Do you have any questions?で親と担当者の面接は始まります。すなわち、面接ではなく、相手から「何をお知りになりたいですか」ということがそもそもの始まりなのです。そこで私は、
「子どもの面接はどうでしたか、しっかり英語は通じましたか」
と親に代わって「親の面談」をリードします。そして、
「この学校について、ご質問はありますか」
とお母さん、夫婦の場合は2人に聞きます。
「NO」はありえないと思っています。
ESLクラスについて、土日の過ごし方、病気や怪我への対応、ホームシックなどへの対応などどんどん質問してもらいます。


私は教育コンサルタントとして、志願者に不釣合いなボーディングスクールは選択しません。チャレンジ校、合格圏校、すべり止めと、選択する学校はそれなりの私の根拠があります。「落とすための面接」への対策よりも、お互いがよりよく学校を知るための面接です。入ってからが生徒にとっては勝負なのであり、学校名というラベルは彼らの将来の何をも保証しません。いわば、面接は相互のお見合いと私は考えます。


学校ごとに面接の傾向と対策が綿密に分析され、受け答えのみならず、態度、言葉遣い、そして服装までもがデータ分析されている日本のお受験の世界と比較すると、アメリカのボーディングスクールはたとえ頂点を極めるテンスクールズにおいても、「大雑把」でありまた「あけっぴろげ」といえると思います。


入るまでに重点を置く日本の小・中・校受験と、入ってからに重点を置くアメリカのボーディングスクール受験、面接もその概念からして違うと私は思います。

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