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ボーディングスクール―寄付について2019-01-31

寄付について良く質問を受けます。日本の学寄付は頻繁に行われるということはありませんが、ボーディングスクールの運営において寄付は不可欠ともいえ、寄付に特化した部署(Development Office)をおおよそのボーディングスクールは持っています。

寄付の実際について、コネチカット州にあるランク4のボーディングスクール、Suffield Academyの2018年度の広報誌からの情報を例にとって解説します。

寄付金貯蓄額:5000万ドル(Boarding School Review情報による)
今年度寄付金総額:690万ドル
年次基金額:270万ドル
寄付をした親のパーセント:88%

1ドルを100円として換算すると100万ドルが1億円です。従って、Suffield Academyの2018年度の寄付金総額は6億9千万円ということになります。そのうち、年次基金(Annual Fund)という毎学年ごとに設定されている寄寄付金の総額は2億7千万円です。

この寄付金の学校運営費用に占める割合は、12%となっています。現役生徒の授業料は76%、寄付金蓄積からの引き出しは9%、その他が3%となっています。この情報からすれば、授業料収入だけでは学校運営は赤字になってしまいます。

支出については、職員の給与と生徒への奨学金が52%、学校施設の維持が10%、学習活動、スポーツ活動、音楽芸術活動への支出が38%となっています。もし、寄付金がゼロであるすると、学校施設の新設や生徒の文化的活動が出来なくなってしまいます。

Suffield Academyの広報誌の寄付に関する情報は、ボーディングスクールの学校文化のうち、寄付の重要性を示唆しているといえると思います。

寄付は、現役生の親、卒業生、そしてボーディングスクール教育に賛同する企業や団体からの善意の贈り物です。アメリカ、ボーディングスクールにおいては、寄付はあくまでもオプションであり、学校からの強制は一切ありません。また、寄付をしたがゆえに、その特定の生徒が優遇され、寄付をしないからといって冷遇されるということはありません。

Suffield Academyの寄付、年次基金をはるかに上回る金額が寄せられるのは、この学校を卒業した生徒たちからのものがとても多いことを示していると思います。卒業生に愛されるからその教育が長く続けられるというのがボーディングスクール教育の伝統の一つではないかと思います。

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