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日曜コラム 若者の憧れ―平成最後の年末2018-12-23

平成時代を象徴している世相は、若者の意識の変化ではないかと思います。
昭和という日本にとって歴史上稀に見る激動の時代から、
良くも悪しくも安定期に入った平成という時代は、
若者のニーズが劇的に変わりました。

グローバル時代なのだからそれもいわば自然の流れなのかもしれません。

昭和時代の若者は、海外に憧れ、車に憧れ、未知の世界への冒険に
怖いもの見たさの意識が豊富だったように思います。

「何でも見てやろう」、「バックパックで世界旅行」といった
日本を飛び出すことに淡い憧れを抱いていた若者が沢山いました。
私もそのなかの一人で、学生時代のふとした思い付きで、
翌日から朝4時に起きて新聞配達を半年間続けて、何でも見てやろう資金を
自己調達して半年ほどアメリカを旅しました。

新聞屋さんの店長から、アルバイトのきっかけを聞かれたのですが、
「車?」と言われたのを、あれから40年ほど経った今でも鮮明に覚えています。
憧れの車を買いたくて、身近な資金稼ぎができる新聞配達は、
若者に調法されたのではないかと思います。

今の若者の憧れはどこにあるのかと私は思います。

乗りたい車も、未知の世界をみる貧乏旅行も、平成の末年には若者の意識から
すっかり消滅してしまったように思います。
その理由は、物理的豊かさが日本にもたらされたからでしょうか。
それとも、グローバル時代に呼応して、若者の意識が変化したのでしょうか。
いずれにしても、「憧れ」を持つことは、老若男女問わず必要に思います。

達成したい何かが日常に存在しないことは、
とても悲しいことではないでしょうか。

と言うと、「何をおっしゃいますやら。毎日が目まぐるしくて、
『憧れ』なんて思う贅沢な時間がございません」と
オフィスを尋ねてくる生徒のお母さんに言われそうです。

もしかして、私が生涯現役コンサルタントでありたいと願うのは、
自身の憧れのイメージを現代の若者とできれば共有し、
海を越えた向こうの世界で彼らが憧れの無意識的再生するのを
見守っていたいからなのかもしれません。

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