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ボーディングスクールの会計管理2018-02-07

英語圏の学校と付き合っていると、いろいろな状況で違和感があります。
その象徴として「いい加減」という言葉が真っ先に浮かびます。
日本では当たり前に行われていることが通じないことが多々あります。

例えば、学校への支払いです。

アメリカでは、今でも小切手による支払いが一般的で、
日本の自動振り込みという習慣はないようです。
請求されたものを確認して、小切手を切って送るのですが、
日本には小切手による支払いが一般にはないために、
国際間の送金は電信送金となります。
留学生を長年にわたって受け入れてきているわけですから、
アメリカ人のように小切手を切ることがないのは、解っているはずですが、
学校のアカウンティングオフィス(会計係)のスタッフは、
日本からの送金方法に配慮する気遣いのできる人は多くはありません。

入学の際に交わす契約書には、授業料のみの金額しか記載されません。
その他、必ず発生する留学生の医療保険、課外活動費、ESL費用、
留学生特別費用などは、おおよそ契約後に通知が来ます。
授業料を支払った後に、また電信送金をしなければいけません。
最初から、年間にかかる費用が提示されれば、一回の送金で済むところを、
発生ベースでステイトメントと呼ばれる費用明細書が送られてきて、
請求されている金額を支払うわけですが、
アメリカ人の小切手を切る習慣がいつになっても改善されません。
結局、支払う側が年間にかかる費用を予測して、その分上乗せして、
授業料支払い時に送ることになります。

配慮、気遣いなど、相手の立場に立つということが、
アメリカ人にも当然、重要視されるとは思うのですが、
会計処理を見ている限り、配慮、気遣いを
しなければいけないのは、あくまでも生徒側となります。

ボーディングスクールでは、伝統的に生徒の入金先を
スクールアカウント(学校口座)とステューデントアカウント(生徒口座)に
分けて管理されてきました。
スクールアカウントとは、授業料、医療保険、活動費といった
学校関連の経費が計上され、ステューデントアカウントでは、
本人に手渡される小遣い、週末の外出などで車を手配した場合の交通費など、
個人的諸費用が管理されます。
親元に送られてくるのは、スクールアカウント情報だけで、
小遣いとして送った費用は、入金先が親に示されずに、
ステューデントアカウントに移っているなどということもあります。
送金したのに記録がないというのは、このような事情によるものです。
つづく

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