休日コラム 年賀状2018-01-08

便利で合理的な現代にあっても年賀状を
交換するという習慣は継続されています。

年賀状の発行枚数と日本の社会との関係が知りたくなり調べてみました。

戦前にも年賀状の習慣はあったそうですが、ネットで調べると、
昭和24年(1949年)に約1億8千万枚刷られ、
そこから統計が始まっています。

日本経済の発展、人口の増加に伴い発行枚数は増加します。

戦後間もない日本の復興期に今の年賀状がつくられて、
その後、順調に右肩上がりに年賀状の発行枚数は増加し、
そのピークは平成15年(2004年)、約44億6千万枚です。
その年から発行枚数は徐々に少なくなり、2017年の当初発行枚数は、
約25億7千万枚になっています。

年賀状の発行枚数がピークになった平成15年には、
すでに電子メールが一般に普及していました。
新年の挨拶習慣が年賀状という紙媒体から電子メールに取って代わられた
わけではなさそうです。
これからはラインやその他の通信手段が年賀状の発行枚数を
圧迫するでしょうが、年賀状はこれからもなくなることはないと思います。

年賀状そのものは、おおよそが「印刷物化」していますが、
数行の手書きメッセージは、電子メールやラインでは到底表現できない
書き手と受け手の想いを創っていると思います。
年賀状の交換だけで10年以上も会っていない人でも、
今年こそはと思いつつ年を重ねてしまうのですが、
「いつか会おう」という意思が、年末年始にうまく重なる時にそれが
実現化するということもあります。

年賀状には関係なく、会いたければメールか電話をすればいいのですが、
その気安さとは何か違う年の瀬と年始の一枚の賀状にこめるメッセージは、
やはり残したいと思う人が多いのではないかと思います。

明日から出す年賀状は10円プラスになるそうですが、
松飾りも取れてまた忙しい日々が始まります。

賀状で保たれたご縁を実現化する年にしたいと思います。

ボーディングスクールの訪問について2018-01-06

ボーディングスクールへの訪問といえば、その学校への出願が前提となり施設見学と面接がセットになって2時間程度というのが標準ですが、施設見学のみの訪問も受け付けてくれます。
さすがに今の時期は出願締め切り(1月中旬~末)が迫っているために施設見学だけの訪問者に生徒のツアーガイドをつけることは難しい場合も多々ありますが、セルフツアーといって、訪問者自身とその家族が学校の地図を片手に施設を見学することはおおよそのボーディングスクールが歓迎してくれます。

ジュニアボーディングスクールへの志願者が2-3年後に進学する高校としてのボーディングスクールを見ることは、とても良い刺激になります。特に、テンスクールズなどを訪問することで、世界屈指の学校施設を目の当たりにできます。20面以上あるテニスコート、年間稼働している室内温水プール、アイススケートリンク、そして人工芝が鮮やかなフットボールコート、野球場、サッカー場、日本の映画館よりもきれいで音響設備も整ったシアター、スタンウェイのグランドピアノがいくつもある音楽関連の建物など、準大学ともいえる施設を見学するだけでも、そこで行われている受業の質の高さをはかり知ることができると思います。

訪問予約も施設見学だけであれば、オンライン入力をしなくても、電話だけで受け付けてくれる学校が沢山あります。電話が難しければ、アドミッションオフィスにメールでその旨を告げれば、訪問予約は簡単に取ることができます。

施設見学に要する時間は1時間もあれば十分です。セルフツアーで唯一見学できないのは、寮ですが、それ以外の施設は原則見学が可能です。

セルフツアーの利点として、生徒や先生に接することも可能であるということがあります。見学中、キャンパスを行く先生や生徒に話しかけることはもちろん可能です。あえて話しかけなくても、彼らを見るだけでも、学校がどのようなところかを想像することはできると思います。

日本からボーディングスクールへの訪問は簡単にはできません。特に、保護者の皆さんにとっては、海外の学校を見る機会はとても限定されますから、ジュニアボーディングスクールを訪問する際には、ぜひその次の学校への訪問もスケジュールに入れることをお勧めします。

留学のための英語学習-問題集について2017-12-28

<前日のブログに続きます>
複数のお母さんから前日のブログに出てきた問題集についての問い合わせがありました。日栄社刊、集中2週間完成英文法・語法、高校初級用を私はこれから留学する生徒や留学1年目の生徒に勧めています。詳しくは下記サイトをご参照ください。

http://www.nichieisha.com/general/328.html

この問題集は、あくまでも英語文法の基本を理解するためのものですから、ある程度英語が理解できている生徒、具体的には留学2年以上の生徒にはあまり役立たないと思います。TOEFLでいえば、IBTで50点を超えるくらいであれば、英語の基本構造は理解していると考えられます。
では、そのような英語の基本が理解できている生徒の休み中の勉強は、このシリーズの中級、上級編の問題にあたるのが良いかというと、私はそのようには思いません。その理由は、この問題集があくまでも日本の受験に焦点をあてたものであり、英語を日々使っている人たちのための読解力、表現力を向上させる目的では作られていないからです。

日本の大学受験を中心に英語学習を考えると、英語読解のレベルが上がれば上がるほど、残念ながら面白くなくなってしまいます。テーマとなる30-40行程度の長文の内容を正確にとらえるという作業は、いわゆるクリエイティブなものではありません。冷静沈着に、客観的に内容を分析する力をつけるためには、地道で粘り強い努力と広範囲な常識も必要となるでしょう。
伸び盛りで、世の中のいろいろなものに興味を持つ年頃の若者にとって、そのような英文解釈をするために、多くの時間を机上で過ごすことは酷なことでしょう。

留学してTOEFLが50点程度に達したら、夏休み、冬休みの勉強はぜひ、TOEFLとSSATの問題集に取り組んでください。それらも日本の受験勉強の英文解釈と同様に面白くはない題材であるかもしれませんが、留学生として英語のハンディを一日も早く克服しないことには次のステップに進むことができません。
TOEFL、SSATの学習は、留学生として健全に成長するための血となり肉となります。そのような意識を持つことで退屈な勉強にも張り合いが出てくると思います。ボーディングスクールへの留学生の若さとエネルギーをもってすれば、必ずクリアできるTOEFL、100点、SSAT、80パーセンタイルです。

留学生の皆さんの今期冬休みが、少しでも有効に使われることを願ってやみません。

#4 道徳・倫理-社会としてのボーディングスクール2017-11-09

<前日のブログに続きます>
教育のあるべき姿の根本に道徳や倫理があると思います。
一般教科学習の下敷きとなるような人間社会の基本です。
それらは、日本では初等、中等教育において、教室で授業として生徒に
教えられていますが、果たして学ぶことと、
実践をどのように結びつけるか、とても難しく思います。
日本的受験思考で考えると、「試験にでる道徳」といった考えに短絡しそうです。
もしそのようなことになれば、教える側も受ける側もどれほど悲しく、
空しく、結果として何が残るのかと思わざるを得ません。

ボーディングスクールは、学校として生徒たちに知識を与えるための
教育を熱心にしますが、それは彼らが達成したい教育の一部です。
繰り返しになりますが、ボーディングスクールが掲げている
Whole Personという概念は、健全な人格と価値観を持って、
社会に貢献できる人をその教育によって実現することです。
したがって、ボーディングスクールのスタッフは、
人として果たすべき当然の倫理や道徳心を日々の学校生活において
実践することを念頭においています。

そのような観点から「いじめ(bullying)」について考えると、
彼らが生活するボーディングスクールというコミュニティー(社会)では、
絶対と言っていいほど看過できないことです。
そこでは、校長をはじめとして半分以上の先生が学校敷地内で住居を構え、
寮生と一緒に生活をしています。
そこにいじめがあるとすれば、生徒だけでなく先生やその家族にも影響します。

いじめのある学校という社会に誰が住みたいと思うでしょうか。
そのような社会に愛着やプライドが持てるでしょうか。

私の知る限り、日本からの留学生でボーディングスクールをいじめが原因で
去った生徒は一人もいません。
もちろん、10代の生徒たちの小社会ですから生徒同士のもめごとは必ずあります。
しかし、それらを見て見ぬふりをするのではなく、
フェアーでないことは、徹底してオープンにするのが
彼らの道徳心とも言えると思います。
彼らが作るコミュニティーに愛情と熱意が生徒と先生の間に感じられるから、
フェアーでないことを発言できる勇気を生徒が持てるのではないかと思います。
つづく

#3 アートについて-社会としてのボーディングスクール2017-11-08

<前日のブログに続きます>
教育イコール知識の蓄積と私たちは捉えがちです。
テレビでは物知り人が人気でコンスタントに
いろいろなクイズ番組に出演しています。
その人気度は長く続いていて単年で消えることはありません。

私事にわたって恐縮ですが、家内はクイズ番組が好きで、
そこで優勝する人たちを「すごいわ」として、我が家のテレビから
クイズ番組が消えることはありません。
私は高校時代の暗記学習への反発のせいか、クイズ番組は嫌いです。
知識が豊富なことは、良いことであり、尊重できますが、
あえて、それを見て楽しみたいとは思いません。
現代においては、クイズ番組の回答は「ググ」れば誰でも簡単に
即座に得ることができます。
クイズ番組の余談、失礼しました。

さて、ボーディングスクールの教育で芸術に関する取り上げ方は
素晴らしいの一言に尽き、その小社会を構成するうえで
欠くことのできない要素となっています。
学校規模の大小に関わらずボーディングスクールには、
体育館や講堂とは全く別の劇場が必ずあります。
さらには、演劇専用ともいえる小劇場設備を
多くのボーディングスクールが備えています。

私はボーディングスクールを便宜上、5段階のランクに分けていますが、
ESLのある中堅のランク3以上の学校は、そのほとんどが
コンサートができるような学校全体人数を収容できる劇場のほかに
数十人収容規模の小劇場を持っているのです。

劇場だけではもちろんありません。音楽の個人レッスン専用の小部屋、
絵画、陶芸、写真、グラフィックデザイン、ロボット、ドローン、
3Dプリンター、バーチャルスコープ、レーザープリンターなど、
みな独立した部屋で生徒たちのアートニーズを受け止めているのです。
学校訪問の際、これらの専門部屋を訪れて、そこに担当の先生がいると、
その説明が延々と続くのです。
タイムキーパーとしてコンサルタントは、5分くらいで「Thank you」を
言わなければいけないのですが、先生たちの科目に対する専心は、
訪問者の心をとらえているはずです。
先生の説明はまるで好きなことに没頭する子どものようですから。

アートもボーディングスクールという小社会では極めて重要な
役割を果たしていると言えます。
つづく