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♯3 ボーディングスクール留学-勉強し過ぎの日本人2019-12-03

<26日木曜日のブログに続きます>
1979年から2年間の自らの留学体験に基づいて、ブログを書いています。

79年、4月の私のサンフランシスコでの英語学校初体験はショッキングでした。ペーパーバックの本を渡されて、短編小説(20ページほど)を読むように指示した先生がクラスに戻ってきて、私を含めて6人の生徒(スイス人2名、ドイツ、フランス、ブラジル、メキシコ)に「それでは、この小説の皆さんの意見を聞かせてください、まずはあなた、マリアンからね」と始まったのです。

20ページのうち、先生が戻ってくるまでの40分くらいの間にせいぜい3ページくらいしか読めず、その主旨などまったく解らなかった私は、その時何を語ったのかすら覚えてもいません。授業の後、私がなぜ一番上のクラスに入れたのか、とても上品で気品のあるその英語クラスのパット先生に聞くと、「あなたが一所懸命に英語を話し、積極的だったからよ」とさらっと答えてくれました。

「なんと大雑把でいい加減な判断!」日本式、正確、公平、厳密な学力判定が基準だった私にとって、この英語学校のクラス分けのいい加減さには驚きでした。更にその後、グラマー担当のロマンというファーストネーム(男性)の先生に、自分の英語力のなさから、I have to study at least 5 hours a day!と言うと、Oh, No, you don’t have to. That’s too much!という返事が返ってきたのです。その時は、彼の言っていることは、私にとって意味不明でしたが、今、その意味がなるほど理解できます。
すなわち、暗記学習が主流の日本式中等教育にあって、アメリカではすでに半世紀以上、もしかすると一世紀も前から暗記学習から決別していたのではないかと思うのです。
それを裏付けるのが、ボーディングスクール教育です。日本的に言えば、暗記中心の文科系クラスにおいて、ディスカッションを中心に行い、理科系クラスにおいては、実験を中心にクラスを運営する現状を体感することで、生徒中心、好奇心触発型、やる気を伸ばすというボーディングスクール教育の厚みと深さを感じます。
つづく

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フライトキャンセルへの対応2019-04-22

アメリカ出張からの帰途、天候不良のためバーモント州、バーリントンから
シカゴ行きの国内線がキャンセルされました
国際線、国内線ともユナイテッド航空であったのと
オンラインでフライトの24時間前にチェックインしていたので
自動的にシカゴ経由がニューワーク経由の国内線、国際線に
変更されたところまでは良かったのですが
フライトキャンセルを知ったのが真夜中で
早朝の空港行きとったため私たちは2-3時間しか寝ることができませんでした
フライトキャンセルがあると振替便の手配でチェックイン時混雑するので、
朝の4時前に空港に到着することになりました

同行したお母さんの便は日系の国際線とユナイテッドの国内線でしたので、
フライト変更に手間取りましたが、ワシントンDC経由での手配ができました

バーリントンはとても小規模の空港です
当然のことながら、そこに発着する飛行機は小さなものが多く
大型機と違って、天候に左右されやすいのです

搭乗ゲートでフライトを待っていると、
搭乗ゲートのカウンターでは、担当者が7名のボランティアが必要とのアナウンス
予定した日に帰れるかどうか不安になってきました

結果的には、驚くべきことに5000ドル相当の電子クーポンが
席を譲ったボランティアには与えるとのことで
特典を希望したボランティアが7名に達し、無事国内線に乗れました
そして、驚いたことに私も5000ドル相当の電子クーポン券を回ってきました
その理由は、当初の国内線がアップグレードされて
ビジネスクラスだったのですが、変更された国内線は
エコノミーになったためでした

天候不順によるフライトキャンセルは、航空会社の責任ではないため
本来ならば、私がクーポン券を貰えるはずはないのですが・・・

この日、バーリントン空港から出発するフライトでキャンセルは
シカゴ行きのUA4541便だけでした
到着地シカゴの天候は晴れ・曇りなのにどうして欠航したのでしょうか
おそらく、前日の悪天候のためバーリントン入りができなかったのでしょう

アメリカ、東海岸の大空港以外から飛ぶときは、冬はもちろんのこと
それ以外でもフライトキャンセルがあることを
念頭にいれておく必要があるようです

休日コラム 異文化適応力について2019-03-21

アメリカ、ニューヨーク州の首都、アルバニーの近くにある
女子ボーディングスクールで3年目の寮生活を過ごしている生徒によると
この3年ほどの間に日本からの留学生2人が中途帰国したそうです

この学校はここ10年ほどで入学難易度が急激に上がった学校です
女子ボーディングスクールのなかでは全米でトップともいえます
そこで学ぶ中国、韓国の女子留学生の中には、とても学力が高く、
TOEFL満点という生徒もいるようです
もちろん、日本を除くアジアからこの学校に入学し、中途帰国をする生徒は
極めて稀なので、その生徒は先生から日本人留学生が中途帰国するのは
特別な理由があるかどうかを聞かれたそうです

恐らく、中途帰国をした生徒は、アメリカボーディングスクールの学校文化に
うまく適応することができなかったのではないかと思います
留学のために一所懸命に勉強し、TOEFLの点数を上げるだけでなく
インタビューに対応するため口頭英語も専門機関で徹底して準備して
留学をしたものの、今まで与えられ続けてきた教育から
自分で考え、自分で行動し、自分で問題解決をしていくという
ボーディングスクール特有の学校文化にどうしても適応できなかったのでしょう

この学校は数年前にESLクラスを廃止しました
それは、留学生出願者の学習レベルが向上したことを意味しますが、
それと同時に、自主性の向上という留学生のメンタルな
部分も注目しなければなりません

講義形式の授業ではなく、とにかく意見を求められ、それを表現することを
求められる授業に日本からの留学生は戸惑います
与えられたことをこなすことはうまくできても、
考えること、作り出すこと、他の生徒と共同作業をして結果を出すといった
授業に最初から適応するとこを彼らは想定していなかったのではないかと思います

ボーディングスクールにおいては、日々の授業態度は極めて重要です
また、それはテストでの点数、そして宿題の出来と連動しています
そのようなボーディングスクールの教育文化に適応できるように
日本の教育も変化していければと切に思います

日曜コラム ボーディングスクール-サービスの質2019-03-10

ボーディングスクール、そのサービスの質は
日本のそれに比べてかなり低いと言わざるを得ません
日本的基準でいえば、「いい加減」のひとことに尽きると思っています
しかしながら、世界を見渡せば、日本的気遣いはけっして悪くは思われないものの
それが彼らのサービスのスタンダードとはいえません。

いくつかの例をあげます

ボーディングスクールは出願締め切り日までにすべてが揃わなくても
その後に書類やデータを提出できることが多々あります

英語圏のレストランでは、ウェーター、ウェートレスは
いつもお客様に意識を集中しているわけではありません
しかし、それが当たり前と思っている現地の顧客は、レストラン側のサービスの
不行き届きを指摘することは稀のように思います
今までで数回、同行したご家族の特にお父さんが彼らのいい加減なサービスに
憤りをあらわにしたのを体験しました

いい加減が「いい」加減としてプラスに捉えられることもあります
たとえば、交通事情や天候、そして突発的なスケジュール変更で
学校訪問予定時間を30分くらい遅刻する場合があります
そのような時、ボーディングスクールスタッフは決して嫌な顔をしません
むしろ、「たいへんだったね」などどこちらよりの発言をしてくれます
そのような時、大陸的寛大さに私は感謝します

きめ細かさでは世界で群を抜く日本ですが、そこまで期待しないし
求めないのも英語圏文化の現実であるように思います

どちらが良いのか悪いのかと判定してしまうのではなく、
「郷に入りては郷にしたがえ」という格言どおり、
それをすなおに受け入れる寛容さを日本人留学生たちは
自然に身につけているように思います

これからの若者に期待するのは、英語圏のいい加減さを受け入れることと共に
日本人の義理堅さ、真面目さ、几帳面さなどを
発信するパワーではないかと思います

評判の良い日本人を私は学校訪問で耳にするたび、
これからの時代は、日本の良さをプレゼンできる、あるいは単純に「言える」
日本人であってほしいと切に思います


ニュージーランド留学-♯4 知識教育から創造教育へ2019-02-28

<火曜日のブログに続きます>
生徒の応援者としてESOLの先生といえばとても理想的なように思えますが、正直なところニュージーランドのESOLクラスの私の第一印象は、これで生徒が英語をできるようになるのだろうかというネガティブな意識でした。

教科書、ガイドブック、さらにはドリルなどがESOLクラスで私が参観したクラスでは「目撃」できなかったので、私は少しばかり不安になったのだと思います。

私のブログを連続して通年閲覧していただいている皆さんであれば、アメリカボーディングスクールのESLクラスについても同様の印象を私がブログで述べているのを思い浮かべていただけると思います。

中等教育において教えることのスクリーニングが日本ほど徹底していないのがおそらく英語圏教育の特徴なのでしょう。
そこまで介入しないことがそもそも英語圏の国の教育方針なのか、あるいはいい加減であるのかといえば、明らかに「いい加減」と私は言い切れます。しかし、そのいい加減さが、そこで学ぶ生徒たちに日本よりも広範な興味や好奇心を解放するとともに、やる気を起こさせる根源にもなっているように思えてならないのです。

「教科書どおり」という価値観も現代においてはかなり錆びついている概念になっているかもしれません。
少なくとも、現代の生徒たちの本音はそこにあるのではないでしょうか。スマホをシュッシュッと撫でれば得られる答えをなぜ覚えなくてはいけないのか。覚えたことがどのように自分の将来に役立つのかあるいは、将来をかたち作るのかと若者たちは単純な疑問を抱き、その回答を持っているのではないでしょうか。
私は少なくともそのような疑問を英語圏のアドミッションスタッフが「肯定する」発言をかなりの頻度数できいています。
しかしながら、朝の電車のなかで目にする制服姿の高校生たちは、私の時代と相も変わらず一心不乱に赤字入りの参考書を見入っています。その一方で、大学生と思しき人が同じように赤字いりの参考書に集中している姿は目にしません。

中学生、高校生はもっといろいろなことに興味や好奇心を持ち、知的でなくても探検や冒険が身近にあってもいいと思うのはわたしだけでしょうか。
つづく